相談援助分野のまとめも今回で3回目になります。
これまで概要や社会福祉士の定義、権利擁護について整理しました。
- 社会福祉士と精神保健福祉士の意義と相談援助の概念
- 相談援助と権利擁護
- 相談援助に関わる専門職←今回ここ
- 専門職倫理と倫理的ジレンマ
- 総合的かつ包括的な援助
今回は相談援助に関わる専門職を8つの領域にまとめていきます。
- 生活保護分野における専門職
- 高齢者分野における専門職
- 障害者分野における専門職
- 児童分野における専門職
- 母子・父子分野における専門職
- 医療に関わる専門職
- 教育分野に関わる専門職
- 司法分野に関わる専門職
また専門職とは別に「生活相談員」「地域包括支援センター」「チームアプローチ」も覚えておくといいです。
生活保護分野における専門職
社会福祉行政の第一線機関である福祉事務所に配置されます。
配置される専門職は以下の通りです。
名称 | 内容 |
福祉事務所長 | 統括を行う |
査察指導員 | 指導監査を行う(社会福祉主事が行う) |
現業員 | 現業を行う(社会福祉主事が行う) |
事務員 | 事務を行う |
また市町村が設置する福祉事務所では上記の他に
「家庭児童福祉主事」「家庭相談員」「母子・父子自立支援員」
などが配置されます。
高齢者分野における専門職
老人福祉指導主事があり
- 市町村は義務
- 都道府県は任意
となっています。
また居宅介護支援事業所などに配置される介護支援専門員(ケアマネジャー)もこれに属します。
障害者分野における専門職
身体障害者更生相談所や知的障害者更生相談所などに設置されます。
で配置されます。
児童分野における専門職
児童相談所や児童福祉施設に設置されます。
児童相談所には
児童福祉司の配置が義務付けられています。
児童福祉司の任用要件には社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師などが含まれます。
児童福祉司のスーパーバイザー的役割として指導教育担当児童福祉司も配置されます。
一方、児童福祉施設には
児童指導員(保育士の仕事内容に近い)や、
児童自立支援専門相談員(主に生活指導を行う)が配置されます。
また
乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設
には、家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)の配置義務があります。
家庭支援専門相談員は児童の家庭への早期復帰の支援や、退所後の児童の生活相談や状況の把握も行います。
母子・父子分野における専門職
都道府県や市町村に母子・父子自立支援員が配置されます。
母子・父子自立支援員は主に求職活動の支援をします。
また母子生活支援施設には母子支援員が配置されます。
母子生活支援施設は就労の援助、育児、家事、親族との関係改善など精神面での支援が主となります。
医療に関わる専門職
医療機関に任意で配置される医療ソーシャルワーカー(MSW)があります。
MSWは医師や看護師との連携のもと、患者や家族が抱える生活問題等の相談や入退院後の生活の安定に向けての支援を行います。
他に精神科病院や診療所に任意で配置される精神科ソーシャルワーカー(PSW)があります。
教育分野に関わる専門職
スクールソーシャルワーカー(SSW)があります。
いじめや不登校などの相談に応じ、学校⇄家庭⇄地域の連携により安定した学校生活が送れるように支援を行います。
司法分野に関わる専門職
婦人相談所に配置される婦人相談員があります。
婦人相談員はDV被害者など要保護女子の支援を行います。
他にも地方更生保護委員会の事務局と保護観察所に保護観察官が配置されます。
保護観察官は刑務所や少年院を出て一般社会に戻った人の、更生保護と再犯予防に関する事務に従事します。
生活相談員
高齢者や障害者を対象とする福祉施設などにおいて、入所者の生活全般における相談に応じます。
地域包括支援センターの職員
地域包括支援センターには保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などが配置されます。
社会福祉士は主に総合相談支援業務、権利擁護業務を担当します。
チームアプローチ
これまで相談援助に関わる専門職+αをまとめてきましたが、クライエントが抱える生活課題は多分野にわたることが多いため、チームアプローチの必要性が高まっています。
ここでいう「チーム」とは他職種だけでなく、他機関との連携を含みます。
また「チーム」の目的も
1人のクライエントのためにメンバーが集められたクライエント・チーム
特定のニーズのあるクライエントたちのために形成され、施設内での援助に適したパーマネント・チーム
があります。
「チーム」の機能として、
目標達成・課題達成のためのタスク機能や
チームを維持していくためのメンテナンス機能
があり、チーム内では対等かつオープンな関係で情報を共有することが望まれます。
終わり
今回はここまでです。
特に前半に紹介した生活保護分野や高齢者分野、障害者分野は、リンク先の内容と照らし合わせながら確認しながら関連内容を網羅するのがおすすめです(二度手間にならないように!)
次回は「相談援助、専門職倫理と倫理的ジレンマ」についてまとめる予定です。