この領域では、以下のようにまとめていく予定です。
- 日本国憲法
- 民法(A)←今回ココ
- 行政法
- 成年後見制度(A)
- 日常生活自立支援事業
民法では、親族の定義や親族に関わる内容が例年多く出題されています。
経済分野(契約や相続など)もありますが、出題傾向としては「親族」よりも低くなっています。
はじめに
民法は、
全ての個人(人間)に権利能力を認め、一定の要件を満たした団体や財産にも権利能力を認める
とあります。
このうち、
- 個人のことを自然人
- 団体や財産のことを法人
と言います。
また、民法では
意思能力のない者や不十分な者を制限行為能力者とする基準を設けています。
未成年者においては、
婚姻によって成年に達したとみなす制度(成年擬制)
があり、親権または後見から脱することができます
男女の婚姻可能年齢が、どちらも同じ18歳になったことは覚えておきましょう!
債権と契約
2022年の民法改正によって、18歳から成人になることに上で触れました。
このことによって、18歳(成人)を迎えた時点で
選挙権や契約の自由など
を持つことになりました。
そこで、どのような契約体系があるのかまとめておきましょう。
ちなみに、民法における主な典型契約には
贈与、売買、消費賃借、使用賃借、賃貸借、雇用、請負、委任、委託など
があります。
中でも、2種類以上の典型契約の性質を兼ねた契約のことを「混合契約」と言います。
例えば・・・
贈与や書面による消費貸借、使用貸借などは諾成・片務契約
売買や賃貸借などは諾成・双務契約
書面によらない消費貸借は要物・片務契約
などなど、実際の契約は組み合わせて行われることが多いです。
瑕疵担保責任
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)といい、売主が担保責任を負う中心となる者です。
これは、売買契約において
隠れた瑕疵(欠陥)があり、買主が知らされていなかったときは、買主は契約を解除し、損害賠償請求ができる
というものです。
不法行為
不法行為とは、
- 故意・過失
- 責任能力
- 加害行為の違法性
- 損害の発生と因果関係
の4つがあります。具体的に見ていくと
故意・過失 | 故意とは、違法な結果の発生を認識しながら容認し、実行する心理状態を言い、過失は注意義務違反という。 |
責任能力 | 自己の行為の責任を弁識する能力を備えていること。 |
加害行為の違法性 | 権利または法律上保護される利益の侵害のこと。ただし、正当防衛や緊急避難などは除く。 |
損害の発生と因果関係 | 現実に損害が発生し、加害行為と損害との間に相当因果関係があること。 |
「わざと」「正常な判断能力を持って」「どう考えてもやばいこと」「絶対関係ある」
親族
親族とは、
- 6親等内の血族
- 配偶者
- 3親等内の姻族
を言います。
血統によって
- 直系血統・・・血統が直下するかたちで連絡するもの
- 傍系血統・・・血統が共同祖先から分かれて連絡するもの
に分けられます。
婚姻
婚姻成立の要件とは、
- 婚姻意思の合致
- 婚姻障害が存在しない
の2要件を満たすことです。
婚姻障害とは、
- 婚姻年齢(民法改正により、男女とも18歳以上)を満たしていない
- 重婚である
- 女性が再婚禁止期間を経過していない
- 近親婚である
があります。
一方、婚姻の解消には
- 民法の規定する協議離婚や裁判離婚
- 家事事件手続法を根拠とする調停離婚や審判離婚
があります。
家事事件手続法は、夫婦間の紛争など家庭に関する事件手続きを国民が利用しやすくなるように、2013年に施行されました。
親権
親権の基本は、父母が共同して行います。
どちらか一方が死別したり親権を行うことができない場合は、他方が単独で親権を持ちます。
離婚した場合は、協議・裁判で定められた一方が、単独で親権を持ちます。
出生前に父母が離婚した場合は、
母が単独で親権を行いますが、出生後に父母の協議・裁判で父を親権者と定めることもできる
となります。
非摘出子は母の親権に服します。
しかし、父の認知後に父母の協議・審判で父を親権者とすることもできます。
扶養
扶養には、生活保持扶養と生活扶助扶養があり、直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養する義務があります。
それ以外の3親等内の親族(おじ・おばとおい・めいなど)では、
特別の事情があり、家庭裁判所が認めた場合に限り
扶養義務が生じます。