社会福祉士国家試験対策:介護保険制度の仕組みと根拠
介護保険制度は、高齢化社会における介護ニーズの高まりに対応するために、2000年に創設された社会保険制度です。ここでは、介護保険制度の仕組みと根拠について、詳しく解説します。
1. 制度の目的と根拠
- 目的:
- 高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援
- 高齢者の心身の状況に応じた適切なサービスの提供
- 家族の介護負担の軽減
- 地域における総合的な支援体制の構築
- 根拠法:
- 介護保険法(平成9年法律第123号)
2. 制度の対象者
- 第1号被保険者: 65歳以上のすべての人
- 第2号被保険者: 40歳以上64歳以下の医療保険加入者で、特定疾病(16種類)に該当する人
3. 保険者
- 市町村(特別区を含む)
- 特別養護老人ホームなどの施設を設置する者
4. 財源
- 保険料: 第1号被保険者と第2号被保険者が納める保険料
- 公費: 国と都道府県が負担する公費
- 利用者負担: サービス利用時に利用者が負担する費用(原則1割)
5. サービスの種類
- 居宅サービス: 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅療養管理指導など
- 施設サービス: 介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設など
- 地域密着型サービス: 小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、グループホームなど
- 予防サービス: 介護予防訪問介護、介護予防訪問看護、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護、介護予防福祉用具貸与など
6. サービス利用の流れ
- 申請: 市町村の窓口に、要介護認定または要支援認定の申請を行う。
- 訪問調査: 認定調査員が自宅を訪問し、心身の状況などを調査する。
- 一次判定: 介護認定審査会が、訪問調査の結果などを基に、要介護度または要支援度を判定する。
- 二次判定: 介護認定審査会が、一次判定の結果などを基に、最終的な要介護度または要支援度を判定する。
- ケアプラン作成: 介護支援専門員(ケアマネジャー)が、利用者や家族の希望を聞きながら、ケアプランを作成する。
- サービス利用: ケアプランに基づき、必要なサービスを利用する。
7. その他
- 介護保険施設: 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設
- 地域包括支援センター: 地域の高齢者の総合的な相談窓口
- 介護保険審査会: 認定結果や保険料に関する不服申立てを審査する機関
まとめ
介護保険制度は、高齢者の自立した生活を支援し、家族の負担を軽減することを目的とした社会保険制度です。制度の仕組みやサービス内容を理解し、適切に活用することが重要です。