乳がん検診の重要ツール:乳腺エコーとマンモグラフィー
早期発見・早期治療が鍵となる乳がん。その検診で欠かせないのが、乳腺エコーとマンモグラフィーです。それぞれの検査の特徴、目的、費用、メリット・デメリットなどを画像と共に詳しく見ていきましょう。
1. 乳腺エコー
検査の詳細
- 原理: 高周波の音波を乳房に当て、その反射波を画像化
- 方法: ゼリーを塗った乳房にプローブを当て、リアルタイムで画像を確認しながら検査
- 時間: 10~20分ほど
- 痛み: ほとんどなし
- その他: 検査を受ける際の服装の指定はないことが多いですが、検査しやすいように上下セパレートの服が推奨されます。
検査の目的
- 乳房内のしこりの有無や性質(良性・悪性)を調べる
- マンモグラフィーで見えにくい、乳腺密度が高い方の乳がん検診にも有効
- 若年層や妊娠中・授乳中の方でも安心して受けることができます
- しこりの大きさ、形、内部構造、血流などを詳しく評価し、がんの疑いがある場合は針生検などの精密検査に繋げます
費用
- 3,000円~10,000円程度(医療機関や検査内容によって異なります)
- 健康保険適用外の自由診療となる場合が多いですが、自治体によっては助成制度がある場合もあります
メリット
- 痛みがない
- 乳腺密度が高い方でも、乳がんを発見しやすい
- 放射線被曝なし
- リアルタイムで画像を確認できるため、医師が詳しく診断できる
- 乳がん以外にも、乳腺症や線維腺腫などの良性疾患も発見できる
デメリット
- 医師の技量によって、診断精度に差が出ることがある
- 石灰化の検出が苦手で、マンモグラフィーと併用することが推奨される場合もある
- 検査時間がマンモグラフィーよりも長い
2. マンモグラフィー
検査の詳細
- 原理: 乳房にX線を照射し、画像を撮影
- 方法: 乳房を専用の装置で挟み、上下や斜めなど複数方向から撮影
- 時間: 5~10分ほど
- 痛み: 乳房を圧迫するため、痛みを感じる場合も (個人差あり)
- その他: 検査当日は、制汗剤やパウダーの使用は避けるように指示されることがあります。また、生理前や生理中は乳房が張りやすいので、避けたほうが良い場合もあります
検査の目的
- 乳房内の石灰化(乳がんの初期症状の可能性)や腫瘤の有無を調べる
- 乳がんの早期発見に非常に有効
- 過去の画像と比較することで、乳がんの発生や進行を評価
費用
- 4,000円~15,000円程度(医療機関や検査内容によって異なります)
- 多くの場合、健康保険が適用されますが、3Dマンモグラフィーなど一部の検査は自由診療となる場合があります
メリット
- 乳がんの早期発見に優れている
- 広範囲を一度に撮影できるため、見落としが少ない
- 過去の画像と比較することで、変化を捉えやすい
- 多くの医療機関で実施されており、アクセスしやすい
デメリット
- 乳房を圧迫するため、痛みを伴う場合がある
- 乳腺密度が高い方は、乳がんを発見しにくい場合がある
- 微量の放射線被曝があるため、妊娠中の方は医師に相談が必要
3. 乳腺エコーとマンモグラフィー、どちらを選ぶべき?
- 40歳未満の方や妊娠中・授乳中の方: 乳腺エコーを推奨
- 40歳以上の方: マンモグラフィーと乳腺エコーの併用を推奨
- その他: 乳房の症状や状態、過去の検査結果、家族歴などを考慮して、医師と相談しながら適切な検査方法を選択することが重要です
大切なのは、定期的な検診
乳がん検診は、早期発見・早期治療のために非常に大切です。 医師と相談しながら、ご自身に合った検査方法を選び、定期的に受診しましょう。 あなたの健康は、あなた自身の手で守ることができます。心配なことがあれば、遠慮なく医師に相談してください。
乳がん検診に関するその他の情報
自己検診: 定期的な自己検診も大切です。入浴時や就寝前などに、乳房にしこりや変化がないか確認しましょう。
検診間隔: 年齢やリスクによって異なりますが、一般的には40歳以上の方は年に1回の検診が推奨されています。
検診を受ける医療機関: 乳腺専門医がいる医療機関や、乳がん検診に力を入れている医療機関を選ぶと良いでしょう。
乳がんは早期発見・早期治療で治癒率が大きく向上します。定期的な検診を心がけ、健康な毎日を送りましょう。