猫のトリコモナス症:症状、検査、治療、予防について
トリコモナス症とは?
トリコモナス症は、トリコモナス原虫という寄生虫が猫の大腸に寄生することで起こる感染症です。感染しても症状が出ない猫もいますが、症状が出る場合は主に下痢が見られます。
猫のトリコモナス症の症状
- 水様性または粘液性の軟便、下痢
- 血便
- 排便時の痛み
- 食欲不振
- 体重減少
ただし、これらの症状は他の病気でも見られるため、トリコモナス症かどうかを判断するには検査が必要です。
検査方法
- 糞便検査: 顕微鏡でトリコモナス原虫を直接観察します。
- PCR検査: トリコモナス原虫のDNAを検出します。糞便検査よりも感度が高く、少量の原虫でも検出できます。
検査費用
検査費用は動物病院によって異なりますが、糞便検査は1,000円〜3,000円程度、PCR検査は5,000円〜10,000円程度が目安です。院内で行われる顕微鏡の糞便検査ではなかなか見つからないことも多く、PCR検査がより精度は高いです。
治療方法
トリコモナス症の治療には、原虫を駆除する薬(国内ではロニダゾール・フラジール等が一般的)が使用されます。薬の種類や投与期間は、猫の症状や年齢などによって獣医師が判断します。大変苦い薬で飲ませるのに苦慮しますが、ちゅーるなどに混ぜて与えるのも可能。
一度感染するとなかなか厄介な寄生虫で、一度陰性に転じても体力が落ちた際に症状が出てくることも多くあります。そのため、完治は難しいとされており根気強く治療を続けていくことが大切です。
予防法
- トイレの清潔を保つ: トリコモナス原虫は糞便を介して感染するため、トイレを清潔に保つことが重要です。
- 多頭飼育の場合は注意: 感染猫と他の猫を隔離し、トイレを別にするなどの対策が必要です。
- 新しい猫を迎える際は検査: 新しい猫を迎える際は、事前にトリコモナス症の検査を受けることをおすすめします。ショップやブリーダーから迎えた猫であっても、飼育環境が悪いと感染している可能性があります。お迎え時は症状がなくても、腸に卵を保有していて、風邪などで免疫が下がった際に卵が孵化し、悪さをしてくる場合もありますので一度検査を受けておくと安心でしょう。
まとめ
猫のトリコモナス症は、適切な治療で完治が可能です。下痢などの症状が見られた場合は、早めに動物病院を受診して検査を受けましょう。