不整脈:心臓のリズムの乱れ、その原因と対処法を徹底解説!
心臓は、私たちの生命を維持するために休みなく鼓動を続けています。そのリズムが乱れる不整脈は、自覚症状がないことも多く、放置すると命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
この記事では、不整脈の症状、原因、そして具体的な対処法や予防法について、最新の医学的知見に基づき詳細に解説します。
💔 不整脈ってどんな病気?心臓のリズムの乱れとは?
心臓は、洞結節という部分から電気信号が発生し、規則正しいリズムで心房と心室を収縮させます。この電気信号の伝わり方が異常になると、心臓のリズムが乱れ、不整脈が起こります。
不整脈は、脈拍数や症状、原因によって様々な種類に分類されます。
🚨 不整脈の症状:見逃してはいけない危険信号
不整脈は、多くの場合、自覚症状がありません。しかし、症状が現れる場合は、以下のようなものがあります。
- 動悸:
- ドキドキする:心臓が激しく脈打つ感覚
- 脈が速い:脈拍数が100回/分以上になる
- 脈が飛ぶ:脈が一瞬止まる、または抜ける感覚
- 脈が乱れる:脈のリズムが不規則になる
- 運動時や緊張時に起こりやすい:これらの状況下で動悸が強くなる
- 胸痛:
- 胸が締め付けられる、圧迫される、焼けるような痛み
- 呼吸困難や冷や汗を伴うこともある
- 心臓の病気の可能性を示唆する重要な症状
- めまい・立ちくらみ:
- 脳への血流が一時的に不足することで起こる
- 失神することもある
- 不整脈が原因の場合、放置すると危険な状態に陥る可能性がある
- 息切れ:
- 少し動いただけで息苦しくなる
- 心臓のポンプ機能が低下している可能性を示唆
- 倦怠感:
- 全身がだるい、疲れやすい
- 心臓の機能低下や酸素供給不足が原因となることがある
これらの症状は、不整脈以外にも様々な原因で起こり得ます。気になる症状がある場合は、自己判断せず、必ず医療機関を受診しましょう。
🔍 不整脈の種類と原因:多種多様なタイプと要因
不整脈は、脈拍数や症状、原因によって様々な種類に分類されます。代表的な種類と原因は以下の通りです。
脈拍数による分類
- 頻脈性不整脈:脈拍数が100回/分以上の不整脈
- 上室性頻拍:心房や房室結節に異常な電気回路ができて起こる
- 心房細動:心房が細かく震えるように動く不整脈
- 心房粗動:心房が規則的に速く動く不整脈
- 心室頻拍:心室から異常な電気信号が発生し、心室が速く動く不整脈
- 徐脈性不整脈:脈拍数が60回/分未満の不整脈
- 洞不全症候群:洞結節の機能が低下し、脈拍数が遅くなる
- 房室ブロック:心房と心室の間の電気信号の伝わりが悪くなる
原因による分類
- 心疾患による不整脈:
- 心筋梗塞:心筋が壊死することで、心臓の電気信号が乱れる
- 心筋症:心筋が厚くなったり、薄くなったりすることで、心臓の機能が低下する
- 弁膜症:心臓の弁が正常に開閉しなくなる
- 心不全:心臓のポンプ機能が低下する
- その他の病気による不整脈:
- 甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、心臓の活動が活発になる
- 電解質異常:カリウムやマグネシウムなどの電解質のバランスが崩れると、不整脈が起こりやすくなる
- 薬剤の副作用:一部の薬剤が不整脈を引き起こすことがある
- 原因不明の不整脈:
- 特に原因となる病気が見つからない場合
🏥 不整脈の診断:専門医による精密検査
不整脈の診断には、様々な検査が行われます。
- 心電図検査:
- 安静時心電図:安静時の心臓の電気的活動を記録し、不整脈の種類や程度を診断する
- ホルター心電図検査:24時間心電図を記録し、日常生活中の不整脈を検出する
- 運動負荷心電図検査:運動中の心電図を記録し、運動によって誘発される不整脈を検出する
- 心臓超音波検査 (エコー):
- 心臓の動きや構造を画像で確認し、不整脈の原因となる心臓の病気を調べる
- 心臓MRI検査:
- より詳細な心臓の構造や機能を評価する
- 電気生理学的検査 (EPS):
- 心臓にカテーテルを挿入し、心臓内の電気信号を直接測定する。不整脈の原因部位を特定し、治療方針を決定するのに役立つ
💊 不整脈の治療:症状や重症度に応じた治療法の選択
不整脈の治療法は、種類や症状、原因によって異なります。
- 経過観察:
- 無症状で、命に関わるリスクが低い不整脈の場合は、経過観察となる場合もある
- 薬物療法:
- 抗不整脈薬:不整脈の種類や原因に合わせて薬を選択する
- 抗凝固薬:血栓塞栓症の予防に使用する
- カテーテルアブレーション:
- カテーテルを使って不整脈の原因となっている心臓の部位を焼灼する
- ペースメーカー植え込み術:
- 徐脈性不整脈に対して、心臓の拍動を補助するペースメーカーを植え込む
- 植込み型除細動器(ICD)植え込み術:
- 重症の不整脈に対して、心臓に電気ショックを与えて正常なリズムに戻すICDを植え込む
🍎 不整脈の予防:生活習慣の改善が第一歩
不整脈は、生活習慣の改善によって予防できる可能性があります。
- バランスの取れた食事:
- 野菜、果物、魚、大豆製品などをバランスよく摂取する
- 塩分、脂肪、コレステロールを控えめに
- カリウム、マグネシウムなどのミネラルを積極的に摂取する
- 適度な運動:
- ウォーキング、ジョギング、水泳など、有酸素運動を習慣的に行う
- 1日30分以上、週に3回以上を目標に
- 禁煙:
- 喫煙は心臓に負担をかけ、不整脈のリスクを高める
- 節酒:
- 過度な飲酒は避け、適量を守ること
- ストレス解消:
- 趣味やリラックスできる活動を取り入れる
- 睡眠時間を十分に確保する
- 定期的な健康診断:
- 心臓病や高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、不整脈のリスクを高めるため、定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療に努める
🚨 緊急時の対処:迷わず救急車を呼ぶ
不整脈の中には、命に関わる重篤なタイプもあります。以下の場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
- 意識消失
- 呼吸困難
- 胸痛が続く
- 脈拍が非常に速い、または遅い
まとめ
不整脈は、自覚症状がないこともありますが、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
日頃から生活習慣に気をつけ、定期的な健康診断を受けることで、不整脈を予防することができます。