社会福祉士

社会福祉士「相談援助の理論と方法④相談援助の技術」

相談援助の技術

はじめに

相談援助領域も最後の大ボスとなりました。

これまで、相談援助の大枠をまとめてきましたが、今回から実際の相談スキルを整理していきます。

  1. システム思考とシステム理論
  2. 相談援助のモデルと具体的なアプローチ(A)
  3. 相談援助の過程
  4. 相談援助の技術(A)←今回ココ!

内容が多岐にわたるため、複数回に分けて記事にする予定です。

毎年出題されている分野だから、必ず得点源になります!
はむりん
ねぎま
語彙は多いですけど、順序立てて覚えていけば難しくはありませんっ

ねぎまはこれを使って合格できました!!

書き込みながら学習できて効率的!他も使いましたけど、ねぎま的にはこれが一番使いやすいです!

目次

相談援助の技術と一言に言っても、実際には

援助者の心構えや面接技法、各種連携など

社会福祉士の試験対策を行なっていると、自然に頭に入っている内容も多いところです。

ねぎま
「相談援助領域!!」と考えずに、社会福祉士の基本的業務に必要な内容、と理解して読み進めていってくださいね!

具体的には以下の全14段階3部構成でまとめていこうと思います。

  1. 援助者の態度や姿勢(心構え)
  2. 面接技法
  3. マネジメント
  4. アウトリーチ
  5. 相談援助における社会資源
  6. ネットワーキング
  7. ケア会議
  8. 社会活動法
  9. 集団を活用した相談援助
  10. スーパービジョン
  11. コンサルテーション
  12. 記録
  13. 評価
  14. 個人情報の取り扱い
・・・多くない・・・???
はむりん
ねぎま
テキストで見ると20ページ分だしね・・・

とまあ長丁場ですが、頑張っていきましょう!

援助者の態度や姿勢(心構え)

ねぎま
質問です!はむりんが援助者になるとして、何に気をつけて話を聞きますか?
えっ?う〜〜ん…笑顔で聞く…かな?
はむりん
ねぎま
惜しい!例えばクライエントが悲しい話をするときも笑顔で聞くかな?
確かに…楽しい話は笑顔で聞くけど、悲しい話はこっちも悲しい顔になるよね…
はむりん
ねぎま
そう!大切なのは「相手の感情に合わせる」ことなんだ

ねぎまとはむりんのやり取りにあるように、援助者はクライエントの利益を最優先しなければなりません。

ここまで学習を進めてきた皆さんなら予想がつくと思いますが、援助者が相談援助に臨む際に持っておくべき心構えは

「傾聴」「受容」「共感」

の3つです。

クライエントに寄り添い、ラポールを構築しながら相談援助を行い、クライエントの自己決定を促していきます。

援助が進んでいくと、クライエントが親や社会に向けていた無意識的な感情や葛藤を援助者に向けてくることがあります。これを転移と言います。

相談しているうちに当時の感情が重なってしまうんだね…
はむりん

また、逆に援助者がクライエントにそうした感情を向けることを逆転移と言います。

ねぎま
(逆)転移を防ぐためには、クライエントの「自己知覚」を促すことが大切だよっ

面接技法

ねぎま
次は実際の面接に使用される技法について学習するよっ
これは相談援助のほか、友達や同僚との話し方でも有効だから覚えて損はなし!
はむりん

技法としては9つの話法と1つの非話法があります。

話法

励まし頷いたり相槌を打ったりして、傾聴の姿勢を伝える。クライエントに安心感を与える。
反復(繰り返し)クライエントの言葉を繰り返すことで、より深い共有を図る。
言い換えクライエントの話の趣旨を変えずに言い換えることで、理解していることを伝える。
感情の反映クライエントの感情を援助者が言葉にして返す。
明確化クライエントの話や感情がはっきりしない場合に、より詳しく表現するように促す。
アイメッセージI message.「私は〜と思う」と援助者を主語にした言い方で伝える。
要約面接の最後に話の要点をクライエントに伝え返す。
オープンクエスチョンクライエント自身が言葉で答える質問。
クローズドクエスチョン「イエス」「ノー」で答えられるような質問。
ねぎま
「I message.」は、ねぎまもよく使っています。特に相手に注意というか気をつけてほしいことを伝えたい時に有効です!
へぇ…例えば???
はむりん
ねぎま
脱いだ靴下の裏返しを止めてほしい時に、「靴下元に戻してよ」と言うと、主語は相手(you)になるよね。そこで「靴下を元に戻してくれたら嬉しいな」と言うと主語は私(I)になる。
なるほど!同じ意味でも主語を変えるだけで伝わり方がマイルドになるねっ
はむりん

非話法

ノンバーバル・コミュニケーションとも言われます。

特に援助者はクライエントの沈黙に注意を払うことが必要です。

沈黙には、言葉にできない抵抗や不安、援助者への安心感など状況によって様々です。

ねぎま
クライエントの様子を観察しながら、沈黙の意味を読み解かないとねっ

マネジメント

マネジメントというと、対象をクライエントとするかサービスにするかに類別されます。

  • クライエントを対象とするケースマネジメント
  • サービスを対象とするケアマネジメント

歴史としてはクライエントを対象としたケースマネジメントから始まり、しだいにケアマネジメントが普及してきました。

ねぎま
イギリスで始まったケースマネジメントと・・・
アメリカで始まったケアマネジメントだねっ
はむりん

ケースマネジメントはクライエントのQOLを最大限に高めるため、ニーズに合った適切な援助を適切な時期に行うことが求められます。

ケアマネジメントはクライエントの地域生活を支援するため、保健・医療・福祉サービスを調整し、クライエントと結びつけていくことが必要とされます。

ケアマネジメントを行うには、受理面接(インテーク)からエヴァリューションまで、相談援助の過程を踏んでいく必要があります。

アウトリーチ

アウトリーチとは、

援助者が接近困難な人の元に出向く援助技術

のことを言います。

対象は、福祉サービスの利用に不安のある人や利用方法が分からない人など多岐にわたります。

アウトリーチの方法には以下の2種類があります。

アグレッシブ・ケースワーク問題やニーズを抱えているが、自分から行動できない人に援助者の方から積極的に関わる。
包括的地域生活支援プログラム重度の精神障害者を支えるプログラムの一つ。医師や看護師、SWがクライエントの生活の場に出向く。
ねぎま
包括的地域生活支援プログラムのことを「ACT」とも言うよっ
援助に否定的な人に対しては、その人のストレングスを声かけし信頼関係を築きながら促していきます!
はむりん

相談援助における社会資源

社会資源とは、

人々の社会生活上のニーズや問題解決を目的として活用される人や制度

の総称を指します。

また社会資源はフォーマル、インフォーマルなものに2分され、

  • フォーマルな社会資源とは、行政や社会福祉施設、各種専門職によるもの
  • インフォーマルな社会資源とは、家族や近隣、ボランティアなど

があります。

ここで留意しておく必要があるのが、

クライエントのニーズは多様である一方、社会資源は質・量的に一定である

ということです。

援助者はクライエントのニーズに応えながら、社会資源との調和を取り、場合によっては調整や改善を行う必要があります。

ねぎま
SWは「社会資源の開発」も求められているんだよっ
新たなニーズの発見は、他のクライエントのニーズを満たすことにも繋がるんだねっ
はむりん

ネットワーキング

ネットワークとは、

クライエントのニーズを満たすため、(イン)フォーマルな社会資源を結びつける

ことを言います。

ネットワーキング

ソーシャルサポートネットワークと言い、サービスの提供者同士が連携し、援助の目標や内容について共通理解のもとで協働する必要があります。

ねぎま
たくさんの専門職や機関が同時連携することで、広い視点の援助が実施されるんだよっ
提供者同士の連携が、お互いの研鑽にもつながっているんだねっ
はむりん

ケア会議

ケアカンファレンスとも呼ばれます。

援助に関わる人が集まって、クライエントに関する情報を共有する

役割があります。

ねぎま
ケアプラン(援助計画)の見直しも行われます
クライエント本人も参加することがあるよっ
はむりん

社会活動法

ソーシャルアクションともいい、福祉問題に対して当事者や地域住民が問題の解決を目指すことを意味します。

具体的には、広報活動や署名活動、請願、宣伝などを通して、

環境や制度の変革を目指す社会福祉運動の展開

を目的としています。

終わり

今回はここまでです。

相談援助の技法を整理してきましたが、SWの理本理念を理解していれば入りやすかったのではないでしょうか。

  • クライエントの最善の利益の追求
  • 専門機関(専門職)への橋渡し
  • 傾聴・受容・共感の姿勢

などなど、これまでの内容が相談援助にも活用されているのが確認できたことでしょう。

 

次回は「集団を活用した相談援助」をまとめます。

あと2回でこの領域もマスターです!
はむりん
ねぎま
水分とって、気分転換して、また戻ってきましょう!!!

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ねぎま

九州生まれ・九州育ちの海好き猫好きHSP
今の仕事に限界を感じ、社会福祉士を目指して独学で勉強を始め、2022年合格できました!
2023年6月に愛猫ナナをFIPで失いましたが、マンチカンのポンちゃんとロシアンブルーのにこに日々癒されている昭和人です。

-社会福祉士