猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)について、検査方法や費用、治療法や薬の費用、治療費捻出のためのクラウドファンディングのやり方まで詳しく解説します。
FIPとは
FIPは、猫コロナウイルスが変異することで発症する病気で、子猫や若い猫に多く見られます。腹水や胸水が溜まる「ウェットタイプ」と、神経症状や眼症状が現れる「ドライタイプ」があり、どちらも進行すると命に関わる恐ろしい病気です。
FIPの検査方法と費用
FIPの確定診断は難しく、複数の検査を組み合わせて行います。
- 血液検査: 抗体価や炎症反応などを確認します。費用は3,000円~5,000円程度。
- PCR検査: 猫コロナウイルスの遺伝子を検出します。費用は5,000円~10,000円程度。
- レントゲン検査: 胸水や腹水の有無を確認します。費用は5,000円~10,000円程度。
- 超音波検査: 臓器の状態を確認します。費用は5,000円~10,000円程度。
- 腹水・胸水検査: 細胞診やPCR検査を行います。費用は5,000円~10,000円程度。
これらの検査を全て行うと、数万円の費用がかかる場合があります。
FIPの治療法と薬の費用
以前はFIPは不治の病とされていましたが、近年、有効な治療薬が登場し、完治も期待できるようになりました。
- 抗ウイルス薬(ムティアン、GS-441524など): ウイルスの増殖を抑えます。費用は1日あたり数千円~1万円程度で、治療期間は84日間以上と長期にわたります。
- インターフェロン: 免疫力を高めます。費用は1回あたり数千円程度で、週に数回の投与が必要です。
- ステロイド: 炎症を抑えます。費用は1日あたり数百円程度です。
- 対症療法: 腹水や胸水を抜く、栄養補給などを行います。費用は症状や治療内容によって異なります。
治療期間や薬の種類、投与量によって費用は大きく異なりますが、総額で数十万円~数百万円かかることもあります。
治療費捻出のためのクラウドファンディング
高額な治療費を捻出するために、クラウドファンディングを利用する飼い主が増えています。
1. プラットフォーム選び
- READYFOR:社会課題解決型のプロジェクトが多い。手数料12%(税別)。
- CAMPFIRE:プロジェクトの種類が豊富。手数料5%~10%(税別)。
- A-port:動物保護団体向けのプラットフォーム。手数料5%(税別)。
それぞれの特徴を比較し、あなたのプロジェクトに合ったプラットフォームを選びましょう。
2. プロジェクトページ作成
- タイトル: 猫の名前や「FIP治療費」など、目を引くタイトルにしましょう。
- 写真・動画: 猫の可愛らしい写真や動画をたくさん使い、支援者の心を掴みましょう。
- 本文:
- 猫の名前、年齢、性格
- FIPと診断された経緯、症状
- 治療にかかる費用と内訳(薬代、検査費、入院費など)
- 資金の使い道(目標金額と達成した場合の具体的な使い道)
- 治療への想い、猫への愛情を伝える
- 獣医の診断書や見積書など、信頼性を高める資料を添付する
- リターン: 支援金額に応じたお礼の品を設定しましょう。
- お礼状、猫の写真、オリジナルグッズなど
3. プロジェクト公開・拡散
- SNSでの発信: Twitter、Instagram、Facebookなどでプロジェクトを積極的にPRしましょう。ハッシュタグ「#猫FIP」「#クラウドファンディング」などを活用すると効果的です。
- 友人・知人への協力依頼: 直接、友人や知人にプロジェクトを共有し、支援をお願いしましょう。
- ブログやウェブサイトでの紹介: ブログやウェブサイトを持っている場合は、プロジェクトを紹介する記事を書きましょう。
4. 活動報告
- こまめな更新: 治療の進捗や猫の様子などを定期的に報告し、支援者とのコミュニケーションを大切にしましょう。
- 感謝の気持ちを伝える: 支援者への感謝の気持ちを忘れずに、お礼のメッセージを送りましょう。
5. 資金の受け取り
- 目標金額達成: 目標金額を達成したら、プラットフォームから資金を受け取ることができます。
- 目標金額未達: プラットフォームによっては、目標金額に達しなくても資金を受け取れる「All-in方式」もあります。
注意点
- 手数料: プラットフォームによって手数料が異なります。事前に確認しておきましょう。
- 目標金額: 無理のない目標金額を設定しましょう。高すぎる目標金額は、支援をためらわせる原因になります。
- 情報公開: 猫の病状や治療の進捗状況など、正確な情報を公開しましょう。
- 誹謗中傷: 心ない誹謗中傷を受ける可能性もあります。気にせず、愛猫のためにできることを続けましょう。
まとめ
FIPは早期発見・早期治療が重要です。愛猫にFIPが疑われる症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。治療費が高額になる場合もありますが、クラウドファンディングなど、様々な方法で治療費を捻出することができます。諦めずに、愛猫のためにできることを探しましょう。