社会福祉士国家試験対策:介護保険の費用負担・給付の流れ
介護保険制度は、高齢者の自立支援と介護者の負担軽減を目的とした社会保険制度です。ここでは、介護保険の費用負担と給付の流れについて、根拠法令を示しながら詳しく解説します。
1. 保険料負担(介護保険法 第86条~第94条)
被保険者 | 負担割合 | 徴収方法 |
---|---|---|
第1号被保険者(65歳以上) | 全額 | 年金天引き(特別徴収)または納付書払い(普通徴収) |
第2号被保険者(40~64歳) | 全額 | 医療保険料と合算して徴収(特別徴収)または納付書払い(普通徴収) |
- 保険料率: 市区町村が条例で定める
- 保険料軽減・免除: 所得に応じて軽減または免除される制度あり
2. 要介護認定の申請(介護保険法 第27条)
- 申請: 本人または家族が市区町村に申請
- 訪問調査: 認定調査員が自宅を訪問し、心身の状態を調査
- 一次判定: 介護認定審査会が調査結果に基づき、要介護度などを判定
- 認定結果の通知: 市区町村が認定結果を通知
- 不服申立て: 認定結果に不服がある場合、介護保険審査会に審査請求可能
3. サービス利用計画の作成(介護保険法 第31条)
- ケアマネジャーの選定: 本人または家族がケアマネジャーを選定
- アセスメント: ケアマネジャーが本人や家族の意向、心身の状態などを把握
- サービス計画原案の作成: ケアマネジャーがサービス計画原案を作成
- サービス担当者会議: ケアマネジャー、サービス事業者、本人または家族などが参加し、サービス計画を検討
- サービス利用計画の作成: ケアマネジャーがサービス利用計画を作成し、市区町村に提出
- サービス利用計画の変更: 必要に応じて、サービス利用計画を変更可能
4. サービス利用と給付(介護保険法 第38条~第41条)
- サービス利用: 介護サービス事業者と契約し、サービスを利用
- 給付管理票の提出: サービス事業者が市区町村に給付管理票を提出
- 給付費の請求: 市区町村が保険者に給付費を請求
- 給付費の支払い: 保険者がサービス事業者に給付費を支払う
- 自己負担: 利用者はサービス費用の1割(一定以上所得者は2割または3割)を負担
5. 費用負担の割合(介護保険法 第82条)
費用負担 | 割合 |
---|---|
保険給付 | 9割(原則)または8割・7割(一定以上所得者) |
自己負担 | 1割(原則)または2割・3割(一定以上所得者) |
まとめ
介護保険の費用負担は、保険料と自己負担から成り立ちます。給付の流れは、要介護認定の申請から始まり、サービス利用計画の作成、サービス利用、給付費の請求と支払いの順に進みます。社会福祉士として、これらの流れを理解し、利用者や家族への支援に役立てましょう。