社会福祉士国家試験対策:認知療法・認知行動療法の要点
1. 認知療法
1.1 提唱者
アーロン・ベック(Aaron T. Beck)
1.2 基本概念
- 認知の歪み: 現実を否定的に歪めて解釈する傾向
- スキーマ: 過去の経験から形成された固定的な考え方
- 自動思考: 無意識に浮かぶネガティブな思考
1.3 治療の目標
- 認知の歪みを修正し、より現実的な思考パターンを確立する
- スキーマに気づき、柔軟な思考を促す
- 自動思考を特定し、反証する
1.4 技法
- 思考記録表: 状況、感情、自動思考、反証を記録し、思考パターンを分析する
- 質問法: 認知の歪みに気づかせるための質問を投げかける
- 行動実験: 実際に体験することで、誤った思い込みを修正する
2. 認知行動療法
2.1 提唱者
アルバート・エリス(Albert Ellis)
2.2 基本概念
- 不合理な信念: 現実を歪めて解釈し、不適切な感情や行動を引き起こす信念
- ABC理論: 出来事(Activating event)、信念(Belief)、結果(Consequence)の因果関係を説明するモデル
2.3 治療の目標
- 不合理な信念を特定し、合理的な信念に置き換える
- ABC理論に基づき、問題解決能力を高める
2.4 技法
- 論駁法: 不合理な信念を論理的に反論し、修正を促す
- リフレーミング: 物事の見方を変えることで、新たな視点を得る
- 行動活性化: 積極的に行動することで、気分を高める
- リラクセーション法: ストレスを軽減し、リラックスした状態を作る
3. 認知療法と認知行動療法の共通点と相違点
3.1 共通点
- 認知に焦点を当て、思考パターンを変容させることで問題解決を目指す
- 構造化された短期療法である
- うつ病、不安障害などに有効である
3.2 相違点
項目 | 認知療法 | 認知行動療法 |
---|---|---|
提唱者 | アーロン・ベック | アルバート・エリス |
重点 | 認知の歪み | 不合理な信念 |
技法 | 思考記録表、質問法、行動実験 | 論駁法、リフレーミング、行動活性化、リラクセーション法 |
4. 国家試験対策のポイント
- 認知療法と認知行動療法の基本概念、提唱者、技法を理解する
- 両者の共通点と相違点を把握する
- 具体的な事例を想定し、それぞれの療法の適用方法を考える
5. まとめ
認知療法と認知行動療法は、どちらも認知に焦点を当てた心理療法であり、様々な精神疾患に有効です。国家試験対策としては、それぞれの療法の特徴を理解し、具体的な事例に適用できるようになることが重要です。