社会福祉士国家試験対策:生活保護の原理・原則、被保護者の権利・保護
生活保護は、憲法第25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための制度です。ここでは、生活保護の原理・原則と被保護者の権利・保護について、根拠法である生活保護法の条文を引用しながら解説します。
生活保護の原理
- 国家責任の原理(生活保護法第1条): 国民が最低限度の生活を営む権利を有することを認め、国がその保障に責任を持つことを定めています。
- 無差別平等の原理(生活保護法第3条): 国籍、性別、信条、社会的身分などに関わりなく、等しく保護を受ける権利を保障しています。
- 最低生活保障の原理(生活保護法第4条): 健康で文化的な最低限度の生活を維持できるよう、必要な保護を行うことを定めています。
- 補足性の原理(生活保護法第5条): 本人や扶養義務者の能力を活用してもなお最低限度の生活ができない場合に、初めて生活保護が適用されることを定めています。
生活保護の原則
- 申請保護の原則(生活保護法第7条): 生活保護を必要とする者は、自ら申請しなければならないことを定めています。
- 基準および程度の原則(生活保護法第9条): 厚生労働大臣が定める基準に基づき、保護の程度を決定することを定めています。
- 必要即応の原則(生活保護法第18条): 緊急かつ一時的な保護の必要性がある場合、速やかに保護を開始することを定めています。
- 世帯単位の原則(生活保護法第19条): 原則として世帯を単位として保護の要否や程度を決定することを定めています。
被保護者の権利・保護
- 保護を受ける権利(生活保護法第2条): 生活保護を必要とする者は、その権利を有することを定めています。
- 不利益変更の禁止(生活保護法第56条): 正当な理由なく、既に決定された保護を不利益に変更することを禁止しています。
- 公課禁止(生活保護法第57条): 保護金品を標準として租税その他の公課を課することを禁止しています。
- 差押禁止(生活保護法第58条): 保護金品を差押えることを禁止しています。
- 秘密保持(生活保護法第100条): 被保護者の個人情報や保護の内容を秘密にする義務を定めています。
- 不服申立て(生活保護法第79条): 保護の決定に不服がある場合、不服申立てをする権利を保障しています。
まとめ
生活保護は、国民の生存権を保障するための重要な制度です。社会福祉士として、生活保護の原理・原則、被保護者の権利・保護について深く理解し、相談援助に活かしていきましょう。