👵👴 高齢者保健福祉の変遷:ゴールドプランからゴールドプラン21へ 👴👵
日本は世界に先駆けて高齢化が進み、高齢者の健康と福祉を支える政策は時代とともに変化してきました。今回は、高齢者保健福祉の変遷を象徴する3つの計画、「ゴールドプラン」「新ゴールドプラン」「ゴールドプラン21」について、その流れと内容をより詳しく解説します。
🥇 ゴールドプラン(1989年~1999年):高齢化社会への対応 🥇
1989年、高齢化率14%を超え「高齢社会」に突入した日本において、高齢者の保健医療と福祉の総合的な向上を目指した10カ年計画として策定されました。
具体的な施策:
- 保健医療:
- 介護保険制度の準備: 介護保険制度導入に向けた調査研究、モデル事業の実施
- 老人保健施設の整備: 入院治療の必要はないが、看護・介護を必要とする高齢者のための施設整備
- 在宅医療の推進: 訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションなどの在宅医療サービスの充実
- 福祉:
- 特別養護老人ホームの整備: 介護を必要とする高齢者のための施設整備
- 在宅介護サービスの充実: ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイなどの在宅介護サービスの拡充
- 高齢者向け住宅の整備: 高齢者が安心して暮らせる住宅の供給促進
- その他:
- 高齢者の社会参加促進: 高齢者クラブ活動の支援、ボランティア活動の推進
- 高齢者雇用対策: 高齢者の就労機会の確保、継続雇用制度の導入促進
🥈 新ゴールドプラン(1999年~2009年):介護保険制度の導入と定着 🥈
1999年に策定された新ゴールドプランは、2000年の介護保険制度導入を踏まえ、その円滑な実施と定着を図るための10カ年計画です。
具体的な施策:
- 介護保険制度の定着:
- サービスの質の向上: 介護サービス事業者に対する指導・監査の強化、介護職員の資質向上
- 利用者負担の軽減: 介護保険料の軽減措置、高額介護サービス費の負担上限設定
- 介護人材の確保・育成: 介護福祉士養成施設の拡充、介護職員の処遇改善
- 地域包括ケアシステムの構築:
- 医療・介護連携の推進: 医療機関と介護サービス事業者との連携強化
- 介護予防の推進: 運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上などの介護予防事業の推進
- 地域包括支援センターの設置: 高齢者の総合相談窓口となる地域包括支援センターの設置
- 認知症対策の推進:
- 認知症の早期発見・早期対応: 認知症診断・治療体制の整備、認知症サポーター養成
- 認知症ケア体制の整備: グループホーム、小規模多機能型居宅介護などの認知症ケアサービスの充実
🥉 ゴールドプラン21(2000年~2020年):高齢社会対策の総合化 🥉
2000年に策定されたゴールドプラン21は、2025年を見据え、超高齢社会における高齢者の尊厳ある自立と社会参加を支援するための20カ年計画です。
具体的な施策:
- 健康寿命の延伸:
- 生活習慣病予防: 特定健診・特定保健指導の推進、メタボリックシンドローム対策
- 介護予防: 運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上などの介護予防事業の推進
- 認知症予防: 認知症リスク低減のための普及啓発、認知症予防プログラムの開発
- 社会参加の促進:
- 高齢者の就労支援: 高年齢者雇用安定法の改正、シルバー人材センターの活動支援
- ボランティア活動の推進: 高齢者のボランティア活動への参加促進、ボランティアポイント制度の導入
- 生涯学習の機会提供: 高齢者大学、公民館講座などの生涯学習プログラムの充実
- 地域共生社会の実現:
- 高齢者が安心して暮らせる地域づくり: バリアフリー化の推進、高齢者向け住宅の整備
- 多世代交流の促進: 子育て支援と高齢者福祉の連携、地域交流イベントの開催
🤝 まとめ:高齢者保健福祉政策の進化 🤝
ゴールドプラン、新ゴールドプラン、ゴールドプラン21は、高齢化が進む日本において、高齢者の健康と福祉を支えるための重要な政策でした。これらの計画は、介護保険制度の導入、地域包括ケアシステムの構築、健康寿命の延伸など、多くの成果を上げてきました。
しかし、超高齢社会を迎えた現在、さらなる課題も浮き彫りになっています。医療・介護費の増大、介護人材の不足、高齢者の孤独・孤立など、解決すべき問題は山積しています。
今後も、高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、これらの課題に真摯に向き合い、新たな政策を模索していく必要があります。