前回まで「財政」というお堅い内容で苦しかったため、今回からは医療保険制度です。
社会福祉士の資格うんぬんと関係なく、一般人でも知っておいて損はない分野になります。
もちろん試験でも頻出分野ですので、安心して勉強してくださいww
まず、今回のポイントは
- 医療保険制度の沿革
- 高額療養費制度の概要
- 長期高額疾病
- 高額介護合算療養費
- 国民医療費
の5つになります。
自分が「今」健康でも、予期せぬ事故やケガによって必要になる制度です。
医療保険制度の沿革
1922年健康保険法の制定
これにより日本の医療制度が始まりました。
1938年国民健康保険法の制定
任意設置の保険組合が登場し、地域住民対象の初の医療保険制度が始まりました。
1961年国民皆保険体制の実現
高額療養費制度の概要
手術による長期入院などの時、医療費の自己負担が一定額を超えた場合に超過分が後日戻される制度のこと。
一定額のことを「自己負担限度額」と言い、所得によって算出されます。
ただし保険外併用療養費となる差額分や入院時食事療養費などは対象外です。
また自己負担額は世帯合算ができます。
被保険者と被扶養者の世帯が異なっていても、同一の医療保険に加入していれば可能です。
払い戻しの権利消滅は、診療月の翌月の初日から2年となります。
(例)令和3年10月20日に診療があった場合の権利消滅は、令和3年11月から2年後(令和5年10月末日)
長期高額疾病
- 血友病
- 人工透析が必要な慢性腎不全
- 高ウィルス剤投与の後天性免疫不全症候群
のことを言います。
この場合、自己負担限度額は1万円となり超過分は高額医療費の現物支給になります。
ただし人工透析患者で一定以上の所得者は限度額が2万円になります。
これは、医師の意見書などとともに健康保険特定疾病療養受講証の交付を受けることが必要です。
高額介護合算療養費
同一世帯に介護保険の受給者がいる場合、
1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額の合算が高額になったとき
負担軽減のため自己負担限度額の超過分が支給されることです。
国民医療費
そもそも国民医療費とは
- 診療費
- 調剤費
- 入院時食事療養費
- 訪問看護療養費
- 移送費
のことを指します。
傷病の治療費という特性上、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種、差額ベッド代は含まれません。
一人あたりの国民医療費は約34万で、増加傾向にあります。
年齢階級別国民医療費
国民医療費の内訳を年齢階級で見ると、
- 0〜14歳は約6%
- 15〜44歳は約12%
- 45〜64歳は約22%
- 65歳以上は約60%
財源別構成割合
財源の割合は
- 公費が約4割
- 保険料が約5割
- 患者負担が約1割
保険料が半分を占めています。
診療種類別国民医療費
傷病分類別国民医療費
医療費を主な傷病別で見ると、上位は
- 循環器
- ガン
- 筋骨格及び結合組織
です。
終わり
以上、医療保険制度についてまとめました。
高額、長期、国民医療と実生活に直結する内容ばかりです。
頭に順序立てて覚えていきましょう!
次は「社会保障〜べヴァリッジ報告」について整理していく予定です。