社会福祉士国家試験高配点である「高齢者」分野。
その中の頻出領域となる「介護保険制度」領域。
今回で介護保険制度領域がまとめ終わります。
介護保険制度全体の重要度はAですが、今回の組織や専門職は前回までの重たい内容に比べて出題頻度も低いです。
体系としては
になります。
次回以降の「介護技術」と「認知症・終末期医療・住環境」も、高齢者分野の中では出題範囲が低いところです。
介護保険制度に関わる組織
介護保険制度に関わる組織(団体)は
- 市町村
- 都道府県
- 国(厚生労働大臣)
- 国民健康保険団体連合会(国保連)
の4組織(団体)に大別されます。
市町村
市町村の主な役割は
- 介護保険事業計画の作成
- 第一号被保険者からの保険料の徴収
- 介護認定審査会による要介護または要支援の認定
があります。
中でも介護保険事業計画の作成や変更にあたっては被保険者の意見を反映させたり、都道府県の意見を聞いたりする必要があります。
作成・変更した介護保険事業計画は、都道府県知事に提出義務があります。
都道府県
都道府県の主な役割は
- 介護保険事業支援計画の作成←名前の違いに注意!!
- 介護保険サービス提供事業者への指定及び監督
- 要介護や要支援の審査判定に対する不服申し立ての審理決裁(下記参照)
を行っています。
市町村が要介護及び要支援の認定を行いますが、この決定に不服がある場合、都道府県に不服申し立てができます。
具体的には、都道府県に設置されている介護保険審査会へ通知を知った日の翌日から3ヶ月以内に請求します。
なお、都道府県への審査請求に対する決裁を経て以降でなければ、訴訟を起こすことができません。
この制度を審査請求前置主義と言います。
国(厚生労働大臣)
国(厚生労働大臣)の主な役割は
介護保険事業に関わる円滑な保険給付の実施を確保する基本指針の決定
です。
高齢者に対してだけでなく障害者や低所得者等が円滑にサービスを受けられるよう、必要な措置を講じなくてはなりません。
国の基本指針を基に、都道府県や市町村がサービスの実施に向けて体制を整えていきます。
国民健康保険団体連合会(国保連)
国保連は介護保険法に基づいて業務を行います。
国保連の主な役割としては
- 市町村から委託を受けた居宅介護サービス費や地域密着型介護サービス費の審査及び支払い
- 指定居宅サービスの質の向上に関する必要な指導・助言
- その他介護保険事業の円滑な運営に資する業務
- 介護サービス利用者からの苦情や相談の対応
があります。
介護保険制度に関わる専門職
介護保険制度には
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 訪問介護員
- 介護福祉士
- 福祉用具専門相談員
- 介護相談員
と主に5種類の専門職が関わっています。
役割と登録
それぞれの主な役割は以下のようになります。
専門職 | 役割 | 登録 |
介護支援専門員(ケアマネ) | 介護サービス計画(ケアプラン)の作成。 | 都道府県知事が行う研修受講試験に合格したのち、実務研修の過程を終了した者 |
訪問介護員 | 訪問介護サービスを行い、身体介護や家事援助、生活上の相談に応じる。 | 都道府県または都道府県の指定を受けた事業者が実施する介護職員初任者研修を修了した者 |
介護福祉士 | 従来は「入浴・排泄・食事その他の介護」だったが、2007年から「心身の状況に応じた介護」となった。 | 1987年「社会福祉士及び介護福祉士法」により創設の国家資格。 |
福祉用具専門相談員 | 福祉用具の選定や使用法をアドバイスする。指定福祉用具貸与及び販売所には常勤2名以上の配置が義務付けられる。 | |
介護相談員 | 介護相談員派遣等事業において介護サービス現場を訪問し、利用者の相談、疑問、不安に答える。 |
障害者福祉に関わる専門職(相談支援専門員やサビ管との違いをチェック!)
終わり
今回はここまでです。
介護保険制度に関わる保険給付や各種サービスについてまとめました。
ねぎまも7〜8割ほどしか覚えておらず、数日おきに復習して補完しているところです。
国家試験では貴重な10点分(他は7〜8点分)あるところですし、社会福祉分野と共通する内容もあるので勉強して損はないところになります。
次回は介護技術についてまとめる予定です。